アゼルバイジャンがドバイを追い越す日

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カザール島

カザール島(出典 : www.khazarisland.com)

アゼルバイジャンは欧州~アジアの新エネルギーの回廊の中心

「アゼルバイジャンはなぜドバイのブルジュカリファをゆうに凌ぐ、世界一の高層ビルを建てるのか?」西側の国々では非常に注目されている成長国にも関わらず、日本ではなぜかアゼルバイジャンという注目の成長国が報道されることはほとんど無い。
ここ最近、エネルギー系のシンクタンクから、「アゼルバイジャンが欧州~アジアの新エネルギー回廊の中心になりうる」あるいは、国連やNATOなどの国際機関が「この国のソフトパワーを強化していくことが、周辺国によい影響をもたらす」などといった内容のレポートが発表され、日本以外の多くの国が注目をする市場である。

アゼルバイジャンはこれまで昨年秋と一昨年秋、2回行ったが、ここ2年で街の景色と国民生活が様変わりした国だ。覚悟はしていたが、想像を超える勢いの成長っぷりに驚いたのがまだ記憶に新しい。街中は建設ラッシュ。首都バクーの街並みは生き物のように進化を遂げている。10年前のドバイがそこには存在する。
ユーラシア大陸の欧州とアジアの中間に位置するカスピ海沿岸の国アゼルバイジャンは、石油と天然ガスにより急成長している国だ。また大量の化石燃料が埋まっているだけではなく、それらエネルギーを西と東へ供給するハブ的役割を担っている。

また、国連採択により、衛星通信とエネルギーのハブとして世界の中心となるべき使命を与えられた国で、TASIM(トランス・ユーラシア・スーパー・インフォメーション・ハイウェイ)やEOTC(東西エネルギー回廊)といった国際プロジェクトの指揮官となっている国でもある。
これから国際社会でますます注目されてくるのは間違いなく、西側諸国や中東・中国の企業を中心にこの国への企業進出がはじまったところだ。多額の外国投資によりこの国は一気に成長した。今後さらに、衛星通信・再生エネルギー分野と東西エネルギー回廊を中心に、その成長はさらに加速度を増してくるだろう。アラブ連盟21カ国との経済協定も決まり、カタール政府系ファンドの巨額投資も決まった。また2015年にはヨーロピアンオリンピックのバクー大会も決まっている。

ショッピングモールのフードコートとフレームタワーズ

日本の企業はまだまだ未進出

欧州・中東・中央アジアのちょうどど真ん中に位置する巨大なエネルギー国で、急成長し富裕層が急増する国ではあるものの、アゼルバイジャンは1991年にソ連から独立したばかりの若い国だ。社会主義から資本主義への移行経済により、ここ数年で別人のように変わった。お金持ちはたくさんいるが、彼らがお金を使う気の利いた商品やサービスがまだまだ足りない。もちろん、アゼルバイジャン人の親日度や日本製品への絶対的な信頼度・こだわりなどは非常に強いが、残念ながらそこにはほとんど日本企業は進出していない。そもそもアゼルバイジャンという国の存在すらも、日本の経営者たちには知られていないだろう。

いまアゼルバイジャンでは将来へ向けたビッグプロジェクトが次から次へと動き始めた。バクーのカザール島プロジェクトは、カスピ海沿岸に、ドバイのパームジュメイラのような人工島を埋め立て中だ。完成すると世界最大の人口島が誕生する。ここに、世界最高層ドバイのブルジュカリファをゆうに凌ぐ、高さ世界一1050 メートルのアゼルバイジャンタワーがお目見え予定だ。完成は2020年あたりになる予定だ。ここは100万人が居住することとなるバクー郊外の新都市だ。

また、中央アジア地域初のカーボン・ニュートラル・マスタープラン「ジーラ・アイランド」、コーカサス地域の金融センターとなる「バクー・ホワイト・シティ」、外国企業は7年間無税となる「スムガイト・インダストリアル・パーク」、ショッピングモール・住居・オフィス・港の複合施設「ポートバクー」、完成すると全長30kmともなる世界最大の海浜公園「バクー・シーサイド・ブルーバード」・・・など、いずれも100年後のアゼルバイジャンを睨んだサスティナブル(持続継続性のある)な、人と地球に優しい最新の街づくりでプロジェクトは遂行される。すべてのデッドラインは2020年だ。迫り来る2020年の未来へ向けて、この国は世界でもっとも速いスピード感で、ユーラシアのハブを目指す。

これまで「ハブ&スポーク」のハブとなる国は、資源がそれほど取れず人口も少なく面積の小さな国が、その生き残りを模索し新しい経済モデルを構築するため、港湾や空港を大改造して世界のハブとなってきた。それは、シンガポール、香港、ドバイ、最近ではスリランカなど。所謂小さな国の生き残り戦略であった。しかしいま、世界有数の資源国であるアゼルバイジャンが、「ハブ&スポーク」のハブになろうとしている。しかも、通信・エネルギー分野を中心に、国際社会も巻き込んでのトランス・ユーラシア大動脈が、これから構築されようとしている。今後さらなる豊かさを求めていく人たちに向けて、日本の製品・サービスは非常にポテンシャルが高い。日本企業がまったく出ていない、急成長の親日国。この国で日本製品の見本市・展示会を、ゼル馬衣じゃん政府の多大なる支援のもとで開催することになった。日本企業がまったく出ていないブルーオーシャン。この国でチャレンジしてみたい方は、ぜひ記念すべき第一回目の見本市「Cool JAZ 2014 -Japan Azerbaijan Business Festa' 2014 -」に出展いただきたい。先駆者としてこの国のど真ん中とつながる絶好の機会である。

夕暮れのカスピ海とヘイダルアリエフセンター

石田 和靖 KAZUYASU ISHIDA 越境会会長

著者:石田 和靖(いしだ かずやす)プロフィール

<所属・役職>
株式会社ザ・スリービー 代表取締役
ワールドインベスターズTV総合プロデューサー
クロスボーダーコミュニティ越境会 会長
日本証券業協会(日証協) 公益委員
香港政府観光局 香港経済観光大使

<略歴>
昭和46 年東京生まれ。会計事務所勤務の際、中東~東南アジアエリアの外国人経営者の法人を多く担当。 その後2003 年に株式会社ザ・スリービーを設立。年に十数回、香港・タイ・UAE など各国を訪問し、香港やドバ イ、サウジアラビアの証券会社、政府系ファンドなどに太いパイプを持つ。海外投資SNS「ワールドインベスター ズ」や、世界経済・投資・ビジネスの動画サイト「ワールドインベスターズTV (WITV)」など、海外のビジネス・投資 及び国際理解教育に関するメディアを企画・運営。 2009 年12 月7 日に東京六本木に念願の、世界経済の情報発信基地「ワールドインベスターズカフェ」オープ ン。同店特設スタジオにて毎週月曜日の夕方、公開生放送を配信中。また、イスラム開発銀行や東京証券取 引所、シンガポール航空、各国大使館ほか総勢100 社近くの銀行・証券会社などとワールドインベスターズ TV24 時間テレビをこれまでに2 回開催。 またWITV 視聴者からのリクエストにより、HIS との共同企画ブランドを構築し付加価値の高い大人のためのビジ ネス視察旅行をこれまでに数十回開催。2013 年7 月には、世界に羽ばたく人たちのためのクロスボーダーコミ ュニティ「越境会」を発足、会長に就任。世界の真の情報や人脈、機会を共有する会をメンバーシップ制で運営。 著書に、越境せよ!(講談社)、オイルマネーの力(アスキーメディアパブリッシング)、ドバイ株投資完全マニュア ル(パンローリング)など海外のビジネスや投資に関する書籍多数。テレビ・ラジオ出演多数、雑誌記事連載・掲 載多数。講演会多数。世界を駆け巡り、日本人のチャンスを探りながら、現在に至る。

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